都市的なるものへ

要約:2006年6月中旬発行の、大谷幸夫作品集である。「都市的なるものへ」の帯文として書かれた文章。
出版社:建築資料研究所
全文
いま明かされる大谷幸夫の全貌。
京都国際会議場の設計者、我が国の都市計画の草分けの一人、その大き過ぎる背景を映し出す動かぬ焦点がある。建築・都市、それらの言葉の手前に人間の生存と尊厳を置く。このことを一時たりとも外さない。大空襲で焦土と化した東京、原爆の傷跡癒えない広島の風景。生きてきた時間のすべてが、それらに捧げられている。瞼の裏をなぞるように夢想し、まだ見ぬ空間を未来に追い求める姿。それは「祈り」に似ている。