建築のちから


出版/王国社
価格/¥1,995 (税込)
いま基本にもどって建築に何が可能か

どのような建物にも、「建築の力」は内在するはずだ。それを見出し、価値を問い直し、無数の人びとの望むところへ向けて行使するべきだ。そこに生まれるはずの何ものにも代え難い歓びは、名誉自己満足や経済を超えて、建築家が設計に込めた努力に報いるはずだ。

1章 建築のちからをめぐって
建築の力 地球の裏側から考える/建築に何が可能か 35年目の建築論/反時代的考察/インナースケープを探して/川の流れと風の流れ /身体感覚だけでつくる/「施主道のようなものについて」雅樂倶顛末記/異なる価値があたりまえのように併存すること/伝統、考察、場所、時間、空間、今/密やかで過激な試み/街と共にあること/日常生活の場/既存部に負担をかけない自立した構造体をつくる/意図的に無為であること
2章 建築の広がりをめぐって
都市戦略としてのデザイン/都市再生は駅再生から/これがほんとの悪戦苦闘、日向物語/建築家に何ができるか/鰹節か維新精神か/書を捨て、町へ出よう/線から面へー街に広がれるか/景観という戦略/知的財産権について/技術と景観
3章 建築の言葉をめぐって
建築に思想はあるか/よそゆき超高層は不要/大切なものほど分かりにくい/建築の価値・賞の価値/罵る言葉/本郷キャンパスの現在/建築家は木を切るな 時間の重さに対する責任/絶望することはない、街に出よ
4章 人のちからをめぐって
篠原修の居る風景/「山」と「家」/前川國男と時間/公正と陰影/遙かなる物語、抉る視線/毒と薬/アアルトの窓辺/独立・勇気・祝福「ロヘリオ・サルモナノ建築」展によせて/サルモナの後ろ姿


GS群団総力戦
新・日向市駅
-関係者が熱く語る
プロジェクトの全貌-(共著)



出版/彰国社
価格/¥3,000 (税込)
駅舎と駅前広場を中心とする宮崎県日向市のまちづくりプロジェクトを紹介する。

県、市、JRが仕事を発注する都市計画系コンサルタントや設計事務所、建設会社といった事業主体の専門範囲にとどまらず、地元に愛着を持ち何とかして人の集まる駅前空間にしたいと願う住民、商店街の人々、学校の先生や生徒とも一緒に進めた、GS群団のコラボレーション記録。

第一幕 事の始まり/第二幕 篠原委員会発足/第三幕 まちなかの議論/第四幕 危機/第五幕 再びの危機/第六幕 塩見橋/第七幕 木/第八幕 三度目の危機、日向市失速か/第九幕 四度目の危機、内藤・川口外し/第十幕 商店街のまちづくり/第十一幕 木使いの実践/第十二幕 課外授業/第十三幕 駅舎設計着々/第十四幕 追込みシンポジウム/第十五幕 バトンは県から市へ/第十六幕 なかなかうまくいかない/第十七幕 駅舎着工/第十八幕 ついに開業。よくぞここまできた/第十九幕 その後


構造デザイン講義


出版/王国社
価格/¥1,995 (税込)
東京大学における講義の集成
建築と土木に通底する構造デザインとは何か。

デザインというのは、技術の本質に迫り、根源的な人間の本性と思考方法に根ざしているものだと考えています。
したがって、デザインを極めるには、対象物に対する深い理解、それを受取る側の人間に対する深い理解がどうしても必要であることを忘れないでください。(本文より)

はじめに
1章 総論|構造デザインという奇妙な言葉/どこにでもある危機/解析技術の高度化と空洞化/・・・
2章 組積造|石の精度を求める感性の高さ/組積造の歴史的時間/『ビルディング・フットプリンツ』にみる構造技術の変遷/・・・
3章 スティール|災害現場から学ぶこと/WTC崩落事故で何が起きたか/鴇メッセ連絡橋落下の想像力/・・・
4章 コンクリート|対照的なスティールとコンクリート/コンクリートは「時を刻む素材」/「打放し」表現とエイジング/・・・
5章 プレキャストコンクリート|高度な技術をもつ両義的な素材/プレキャストコンクリートの変遷/プレキャストコンクリートの実用/・・・
6章 木造|木造の可能性/[木]は危険な材料/[木]を排除した近代/「京都議定書」と木材利用の促進/・・・
7章 構造デザインの最前線|エンジニアの豊かな感性/コンピューターの進化とブラックボックス化/ものをつくるレベルの空洞化/・・・
おわりに


内藤廣対談集
-複眼思考の建築論-


出版/INAX出版
価格/¥2,100 (税込)
建築家になろうとしてはいけない

建築家は建築をつくる上での一つの職種にすぎない。建築家になりたいと言う若者には、「建築家になろうとしてはいけない」と語るようにしている。彼らは十中八九奇妙な顔をする。「建築家になるのではない、建築をつくるプロセスに参加できるようになりたい」と思うようにしなさい、と言葉を続ける。

構造家
佐々木睦朗
原理原則を踏まえた飛躍を…
建築プロデューサー
浜野 安宏
建築の作法を説く
照明デザイナー
石井 幹子
光文化に挑戦し続ける
左官
久住 章
五感で土を読む
インダストリアルデザイナー
栄久庵憲司
ものに心あり
インテリアデザイナー
内田繁
属性を捨てられるか
石匠・彫刻家
和泉正敏
石に学び、師に学ぶ
設備設計家
葉山成三
設備界の異端児
音響家
永田穂
感性と科学でつくる響き
デザイナー・建築家
矢萩喜從郎
ボーダレスな異才のデザイナー
劇場コンサルタント
伊東正示
生きることは演じること
ランドスケープアーキテクト
三谷 徹
人間の小ささを感じさせる場所を…
[鼎談]
時代を貫く建築の価値とは

林昌二×香山壽夫×内藤廣

建土築木1
-
構築物の風景-


出版/鹿島出版会
価格/¥1,890 (税込)
人はなぜ物をつくるのか

戦後の日本、何もない焦土から立ち直ろうとする時、そこに求められたのは構築物だった。出来が悪い、街並みがふぞろいで汚い、環境破壊だ、などと言うのは容易い。今だからいえることだ。父や母のことを思い出してみればよい。みんな必死で生きようとしていたではないか。

東京タワー/東名高速防音壁/横浜大さん橋国際客船ターミナル/モエレ沼公園/牧野富太郎記念館/四国横断自動車道[鳴門-板野]/広島ピースセンター/首里城の石垣/黒部川第二発電所・小屋平ダム/阿蘇・草地畜産研究所/アルテピアッツァ美唄/東京高速道路


建土築木2
-
川のある風景-


出版/鹿島出版会
価格/¥1,890 (税込)

構築物から風景へ

構築物をつくることが、「ナイものをアル状態にする」ことだとすれば、自然は常に「アッタことをナイ状態にする」ことだといえる。……川はそうした自然の「アッタことをナイ状態にする」ような力を代表する。……常に存在し続け、土地を育み、土地を砕き、長い時を刻んでいく。山は切り刻まれ、形がなくなることはあっても、川が人の生活から消えてなくなることはない。

五十鈴川/神田川/堀川運河/道頓堀川/鎌倉・滑川/金沢・犀川/三島・源兵衛川/酒田・最上川/博多・那珂川/札幌・鴨々川/草津・湯川/熊野川


グラウンドスケープ宣言
-土木・建築・都市   
    デザインの戦場へ-


出版/丸善
価格/¥2,310(税込)

デザインという名の戦場で闘う者たちへ

見れども飽かぬ風景、人を勇気づける風景、時代を超えて人々に愛され続ける風景…土木、建築、都市のあらたなデザインの地平を拓き、次代のよりどころとなる風景を手にするために、今われわれがすべきことは何か。風景を想うすべての人たちに、デザインの最前線から呼びかける、力強いメッセージ。
全国のプロジェクトの中心で活躍する土木建設・建築・都市計画の第一人者たちが、従来からの細分化された専門の壁を乗り越える「グラウンドスケープデザイン」を提言する。

1.LandscapeからGroundscapeへ/内藤廣
2.土木・建築・都市 −デザインの戦場/篠原修×大野秀敏×西村幸夫×内藤廣
3.グラウンドスケープデザイン最前線/小野寺康×西村浩×中井祐
4.風景の再構築のために/篠原修


建築的思考のゆくえ


出版/王国社
価格/¥1,995 (税込)
建築の可能性を問い続けて

自然と対立するかたちの重力系の思考に対して、自然と共生する風系の思考を、建築の中に積極的に取り入れていくことで、この硬直したパラダイムを解いていけるのではないか。風の側から建築を眺めれば、当たり前に思えていたことが異様に見える。

建築は時間の流れの中で育まれる/建築には環境との応答関係が必要である/デザインのDNAを移植する/五〇年後、一〇〇年後を見すえながら設計する/入札をしない施工者選定方法の試み/大地と格闘するデザインの戦場/不完全さと想像力/意気地なしの建築/見えない廃墟を越えて/スーパー・リージョナリズムに向けて/尊厳を持って生きられる環境を創りだせるか/建築を常に意識化し論じ合える土壌がほしい/風景を旅する/支えとしての構築的方法/重力と風と/伏せる様態/形態から仕組みへ/空間と固有の場所/それでもやはり、倉庫のようなもの/つまらなくて価値のあるもの/地形と物質/完結しないことを求めて/時間の流れをつなぐこと/火炎の流れ/岐路にたつ選択/物質と精神の相克/時と風景の織物/地面の下はわからない/モダニストの廃空


建築のはじまりに
向かって


出版/王国社
価格/¥1,995 (税込)
時間と共生する建築をめざして

空間から時間へと視点を移してみれば、新しい建築や都市の在り方も見えてくる。それに向けて、現在の技術や知恵を集めていく必要がある。…身近な建築の当たり前の日常の中に、すでに兆しはある。想像力を全開にして、建築というのぞき穴から、まだ見ぬ未知の21世紀をのぞいて見ませんか。

建築家が問いかけること/見えざる目が凝視するふたつのテクスチュア/器としての住宅論/原点としての共生住居/わたしの家づくり物語/住宅という神話は生きている/偏在する身体のような/時の介在した空間を生み出す/新たな建築のリアリティをめぐって/建築におけるリアルの所在/場所性と作家性のはざまに/閉じられる価値/ゆっくりと流れる時間を収蔵する/建築の素形へ/失われた時を求めて/単純な構法が内包するメッセージ/倉庫のようなもの……/白鷺を捕まえるために/忘れ去られるために建てられた/美しい不純物のような建築の在り方


素形の建築
INAX album 30


出版/INAX
価格/¥945
(税込)
素形へ

建築家は何を考え、何を手懸かりに建築に取り組んできたのか。自らの無意識の覚醒と日常の背後に潜む見えない時間を強く意識して「素形(そけい)」という言葉を創った。進行中の3つのプロジェクトのドローイングや図面、模型写真を使いながら、その思考の軌跡を追う。

Ⅰ.空間から時間へ|素形/素形の時間/物と意識の均衡点/物と意識を編む/情報の時間,身体の時間/海の博物館以後/ズレる機能/機能という名の制度/空間の解放/時間の蘇生
Ⅱ.CASEⅠ|十日町/場のかたちⅠ/雪/雪と光/情報のシェルター
Ⅲ.CASEⅡ|牛深/場のかたちⅡ/風と塩/木の空間/雑踏のシェルター
Ⅳ.CASEⅢ|安曇野/場のかたちⅢ/緑と空気/閉じられた箱・開かれた空間/アートのシェルター
Ⅴ.素形へ|建築を開く/意識を超えて/素形という時のかたち